3Dライブアニメ
■いよいよ公開!驚愕の“3Dライブアニメ”劇場版『APPLESEED』をレビュー
そんなわけで、アップルシードで使われた3Dライブアニメという技術のこと。
3Dライブアニメは、昔からある技術「モーションキャプチャー」と、ここ数年流行の「トゥーンシェイド」を使った技術です。
アップルシードは全編この技術で作られています。
映画の中では、アニメ顔した人形が人間っぽい動きをするわけです。
ですが、これが不自然で気持ち悪い。
派手なアクションをしている時はまだマシなんですけど、静かなシーンや表情の演技などの気持ち悪さはすさまじいものがあります。
まず、表情の演技は、やはり無理があります。
目の演技が視線とまぶたでのみ行われるのが不自然なのかなと。
「目は口ほどにものを言う」という諺があるように、もっと瞳孔に演技を付けるとか涙目とかの研究が必要でしょう。
アニメ顔で不自然に目が大きい為、視線で演技をさせようとすると、かなり大げさな動きになってしまい、違和感ありまくりでした。
次に、静かなシーンでの微細な動きに関しても研究の余地あり。
人間の役者の微細な動きをそのままモーションキャプチャーしても、それが「リアル」にはならないでしょう。
例えば静かな部屋で会話をする時を考えてみると、本当の人間であれば確かに体をゆらしたり、視線を泳がせたりしますよね。
それは当然です。
でも、普通のアニメであればそんな動きは入れない。
そんな動きは無駄だからです。
ディズニーアニメは躍動感を出すために常に動いてますが、あれも計算された動きでしょう。
だけど、今回の3Dライブアニメではそこまでキャプチャーしてるからまるで人間のように動く。
そうすると何が起きるかというと、
アニメだから動かないはずなのに動いている
→動かないはずのモノが動く
→やたら動きが目立って見える
…という感覚が観客には発生してしまいます。
つまりこういう場面の動きは、完全に役者の動きをトレースするのではなく、動きを押さえたり人形ならではの自然な動きに演出しなければ、不自然に見えます。
とにかく、全編を通してそんな動きの違和感が続くので、まだまだ改善の余地がありまくるなあと思いました。
上のリンク先を読むと、3Dライブアニメにすることによって制作時間が大幅に短縮されるとのことですので、この手法を用いた作品が今後増えてくるのかもしれません。
それは別にかまわないのですが、技術に振り回されて「演出」がおざなりになってしまっては、本末転倒ではないかな。
今回の映画は、まだ手段が目的になってしまってる印象を強く持ちました。
続編では、人形の「演技」がもっとうまくなってるといいなあ。
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コメント
はじめまして、俺ブンです。
トラックバックありがとうございました。
純水さんの書かれていることよく分かります。
僕はもう少し前向きに捕らえてます、今回で3Dのトゥーンシェイドでの表現技法の形がある程度できたのかなあと思います。
それはあくまでも技術的にということですが、、。
ここから3Dアニメのセンスが光ってくるとこなのかなあと思いました。技術が固まったのちにセンスが光ってくるのだと思います。そういう意味では2に期待しています。
士狼さんのアニメ化したのもだと、テレビ版の攻殻が一番好きです。
長々とすいません。ではでは。
投稿: 俺ブン | 2004.04.19 23:10
コメントありがとうございます(^^)
そうですね、2でどれぐらいセンスが光ってくるかはわしも楽しみです。
今回は技術の顔見せって感じでしたからね。
人にはオススメしないとか言っておきながら、2が公開されたら必ず観に行くつもりです(^^;)ベ
STAND ALONE COMPLEX は良くまとまっていて面白い作品でしたね~。
わしも大好きです。
2ndG.I.Gの方はなんか質が落ちたような感じが…。
まだ先は長いですけどね~。
あと、士郎正宗のアニメ化作品で良かったのはブラックマジックかな~。
ターミネーター1風のスリリングな展開が良かったです。
そういえば、ブラックマジックを高校の友達に「こんなの知ってる?」って見せられたのが、士郎正宗作品との出会いでしたわ。
投稿: 純水 | 2004.04.20 02:57
こんにちは、夏川です。
僕もアップのシーンには最初ひいてしまいました。
でもまあ、根が鈍感だからでしょうか、すぐに慣れてしまい。
楽しく観終わることができました。
投稿: 夏川 | 2004.04.22 20:06
コメントありがとうございます(^^)/
後半、アクションシーンが多くなるのでより気になりにくいのかもです。
わしは気にしすぎたのかもしれないですね~。
投稿: 純水 | 2004.04.23 00:13