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2004.04.06

四季 冬 /森博嗣


cover

そんなわけで、やっと買った「四季 冬」を読了。
発売されて1ヶ月ぐらい経ったかしら。

四季シリーズも4冊目となりこれで終了です。
Filtrationを始めてから「四季 秋」を読んだので、感想を書きたかったのだけど、書かないうちに「四季 冬」が出てしまいました。

森博嗣のミステリー、S&Mシリーズ10冊とVシリーズ10冊に共通して出てくる超越者「天才・真賀田四季」を中心に据えたこのシリーズ、最後の「四季 冬」では大人になった後の四季の内面が描かれています。
いつもよりも詩的文章も多めで、まあ2時間もあれば字面を読む事は出来ますな。

問題は、描かれているのが「天才」なので、書かれた文章を理解するのが難しい事。
わしは、詩的描写の所に関して、もう理解をする努力をしてません(^^;)ベ

森博嗣は意味を持たせてアレを書いてるのかな~。
雰囲気だけじゃなさそうなんだけど。

特に今回は詩的描写が多くて大変でした(^^;)ベ
それに加えて、全ての物事を時空を超えて並列に処理できる四季を描写しているため、時系列はバラバラだし、場所も曖昧なままころころ変わるし、現実かと思えば四季の内部でのシミュレーションだったりで、ふわふわした読後感が味わえました。

このシリーズを読んで思うのは、「天才」を描けるのはやっぱ天才なんだろうなあという事。
森博嗣は偉いなあと思います。
「天才」がそれっぽく書けてるからね。
四季の並列処理っぷりは、凡人からすると素直に憧れます。


さて、今回の「四季 冬」で気付かされた概念が一つあって、それに感動したのでちょっと紹介。

最近はまっているイノセンスや攻殻機動隊などに出てくるサイボーグやアンドロイド、人形。
ああいう人間に似せたロボットというのを人はどうして作ろうとするのか。
イノセンスの中でも、人形論を榊原さんが語ってましたな。

アシモとか、クリオとかも究極的にはそこを目指してると思うんですが、完全なアンドロイド、人と同じ能力を持ち、発想し想像するロボット、ゴーストを持ったロボットをどうして人は作ろうとするのか、そこにどんな目的があるのかって、なかなか面白い命題です。

それに対する非常にわかりやすい解答を、「四季 冬」の中で四季が解説してました。

まるまる引用すると、

「それは、私たち自身を見つめること、鏡を見ることに等しいでしょう。鏡を見たくはありませんか? 鏡を見ない人間がいますか? 何のために私たちは鏡を見るのでしょうか? 見たいものは何でしょう? 意味がありますか? それが、この分野の研究のゴールです」

どうですこれ。

単純明快でなるほどなあ!って思いませんか?

精巧な人造人間=アンドロイド=人形を作ろうとするのは鏡を見る事に等しい。
あまりにもすっきりわかりやすくて感動してしまいました。
このセリフが出てくるくだりは素晴らしいです。

この考え方を知る事が出来たので、「四季 冬」を読んだ価値はあったなあと思った次第です。
森博嗣は普段からこんな事考えてるのかな~。
さすが大学の先生。


余談:
いつもなら次回発刊予定タイトルがカバー折り返しの部分に書いてあるのに、今回はそれがありません。
書きたくてしょうがなかった四季の話を書ききったので、しばらく小休止という事かしら。

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