実体験!オレオレ詐欺の手口その4
そんなわけでオレオレ詐欺の手口大公開その4です。
※先に「その1」「その2」「その3」をお読みくださいね。
ではさっそく、その4「解決編」です。(長文注意)
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◆解決編
その3で、ニセ警官・本城に誘導され、ついにお金を振り込む決心をしたわし。
準備は万端、銀行に向かって出発です。
迅速に入金して、拘束された父を救わなければなりません。
と、その前に、母が帰ってきたときの為に置き手紙を書く必要があります。
父が人身事故を起こしたなんて、どんな風に書いたらショックが少ないかなと思いつつ、台所の障子を開けると、その先にある玄関でクツを脱ぐ母の姿がそこに!
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
おかん、帰ってきた~~~~!!
わし 「お帰り!!!! 待ってたんだよ!!」
母 「何? どーしたの? どっか行くの?」
わし 「(あ、ショッキングな内容だから落ち着いて聞いてもらわないと…) とりあえず、ここ座って! 落ち着いて聞いて」
母 「???」
わし 「いい? 落ち着いて聞いてよ。 おとんが人身事故起こしたって!」
母 「何ですって!Σ(@ ̄□ ̄@;)!! どこでね!!?? 怪我はないのね!!??」
わし 「怪我はないけど、妊婦さんに怪我させたって! とにかくすぐに示談金を振り込まないと警察に拘束されてるらしい。 場所はK市だって。 2車線の車道を走っていて接触事故起こしたって警察から電話が…」
母 「…ちょっと待ちなさい、K市って、アンタ、父さんはゴルフに行ってるんだよ? 今流行ってるオレオレ詐欺じゃないの?」
わし 「だからゴルフに行ってる最中で事故ったんだって! 警察からの電話で名前も純太郎さんって呼んでたんだって! (ニセおとんが泣きながらオレオレ!なんて言ってなかったし、だいたいこのわしがオレオレ詐欺にダマされるはずないでしょーが!)」
母 「だってゴルフはアイゴルフクラブのはずだよ?? 父さんに電話はしたの? 父さんの名前は流出してるでしょ? 架空請求の葉書が何通も届いてるの知ってるでしょ?」
※母も事故と聞いて焦ってはいますが、冷静な意見を述べます。そして、アイゴルフクラブといえば、わしの住むアイ市の中にあるゴルフクラブです。
わし 「Σ(@ ̄□ ̄@;)??? え? アイゴルフクラブなの?? (??? ……そういえば、そうだ。 架空請求の葉書きてるし、名前を呼ぶのは誰でも出来るんだ! そうだよ! まだ、おとんに電話確認してないじゃん! …てことは何か? ひょっとして事故してない可能性があるのか!?) そうか! 言われてみればそうだわ! まだ電話もしてなかったわ!」
母 「とにかく確認してご覧なさい!」
そんなわけで、あわてて父のケータイに電話をしてみました。
しかし繋がりません。
auお留守番サービスに繋がってしまいます。
ゴルフ中に電源を切ることはないのに、どうしたことでしょうか。
オレオレ詐欺の場合、ターゲットのケータイはあの手この手で電源を落とさせるという話も頭をよぎります。
とりあえず「至急連絡されたし」とメールを打ちました。
また、一緒に廻っているメンバーがわかってますので、そちらにかけてみました。
ところが、一緒に廻ってるはずの2人のケータイにもかかりません。
これはいったいどうしたことでしょう。
まさかやっぱり事故っていて一緒に警察で事情聴取中とかなのでしょうか?
母は、「アイゴルフクラブのハズだったけど…。K市まで行くはずないんだけど…」と悩んだまま固まっています。
そこで、わしはアイゴルフクラブに電話しました。
受付 「はい。アイゴルフクラブです」
わし 「あの、私、鈴木と申しますが、今日そちらで父の純太郎が廻ってるハズなんですが受付はしてますでしょうか?」
受付 「あ、鈴木純太郎様ですね? 先ほど受付されてもう廻ってらっしゃいますよ」
わし 「Σ(@ ̄□ ̄@;)!!」
おとん、イタ━━━━━━\(^▽^)/━━━━━━ !!!!!
おとん、事故起こしてなかったよ~~! イヤッハ~~!
怪我もしてないし、妊婦さんを怪我させてもいなかったよ~~!!
やった~~~~!!! 死にそうな妊婦さんはいなかった~~~!!!!
∩(´∀`∩)ワショーイ∩(´∀`)∩ワショーイ(∩´∀`)∩ワショーイ
母 「ほら、ごらん。おかしいと思ったわ」
わし 「………ショボーン(´・ω・`) わしだまされたのね…」
そんなわけで、ギリギリセーフで入金を免れましたヽ(´▽`)ノ
母も私も一安心です。
ちょっとタイミングが悪ければ、わしは銀行に走っていたわけで、非常に危険な状態だったのです。
たまたま母が帰ってきたから良かったものの、母に会わなければ わしは銀行の「ATM」で振り込むつもりでしたから、行員に止められることもなく振り込みを完了していたことでしょう。
母にオレオレ詐欺じゃないのかと指摘されても、最初はそう思わなかったのですから、わしのダマされ具合も相当です。
9割方オレオレ詐欺は成功していたといえましょう。
最後の最後の入金で事なきを得たわけです。
良かった良かった。
山中との通話中に泣くだけですんで良かった。
入金してたら悔しさで泣いていたことでしょう。
ちなみに、父がゴルフクラブにいるというのがわかった時点で、わしが感じたのは、「流産しそうな妊婦さんは架空の話だった、そんな不幸な人を父は作ってなかった」という安堵感でした。
とにかく、人の生死に関わる事故を起こしていなかったというので、オレオレ詐欺にだまされたという怒りなどは全くなく、架空の話で良かったと本気でホッとしたのです。
※その直後に考えたのは、サイトに書く格好の美味しいネタが出来た、でした(* ̄m ̄)プッ
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◆通報
その後すぐに最寄りのアイ警察署に電話をかけ、今現在リアルタイムでオレオレ詐欺の被害に遭っていることを説明しました。
何らかの措置や対処方法を教えてくれるかと考えてのことです。
ひょっとしたらすぐに逆探知とかで犯人を捕まえてくれるかもしれませんしね。
しかし、電話に出た警察の方の素っ気ないこと。
「もうバレたからかけてくるな、とでも言ってください」とアドバイスされたのみ。
「それは有力な情報をありがとう! さっそく犯人を捕まえよう!」なんて、そんな前向きな話は全くありませんでした。
しょうがないので、犯人に繋がるケータイの番号と、わしの名前と住所と電話番号を伝えて切りました。
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◆4本目の電話 ニセ警察官:本城
警察への通報が終わった後に、また「ヒツウチ」で自宅の電話が鳴りました。
わしが銀行に向かうと言ってから15分が過ぎたので、本城から催促がきたのです。
どう対応しようか考えながら電話に出るわし。
わし 「はい、鈴木です」
本城 「本城です。銀行には着きましたか?」
わし 「あ、えーと、あの道が混んでいてもうちょっとかかりそうです」
本城 「先ほども申しましたが急がなければ…」
わし 「はいわかってます。あと15分ほどで着くと思いますので、待っていてください」
本城 「はい、着いたら連絡してください」
わし 「わかりました」
※通話終了
とりあえず時間を稼ごうと思って「渋滞してる」なんて言ってしまったわしですが、よく考えてみると自宅の電話にかかってきているのに、銀行に着いていないわけが「渋滞しているから」ってのはおかしな話でした。
母と二人で笑ってしまいました。
次かかってきたら「父の運転していたセルシオは無事ですか?」とか聞いてみようとか冗談を言ってました。
※父の車はセルシオではないので、返答次第で犯人グループがどこまでの情報を持っているのかわかると思ったのです。
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◆警察からの電話
5分ほどすると警察から電話が。
下4桁が0110になっている番号です。(「ひゃくとーばん」ですね)
わし 「はい、鈴木です」
警察 「ああ、さっきの方ですね。 アイ警察署の○○です。 先ほど教えていただいた番号にかけてみましたよ。 電話には出ないですね。 おそらく番号が0110と警察の番号が表示されたので出ないのでしょう。 これでもう詐欺がばれたと気づいたはずですので、かかってくることはないと思いますよ」
わし 「ああ、そうですか。わかりました。ありがとうございました」
警察 「では」
結局、警察は本城のケータイに電話をしてくれたようでした。
また警察からの電話は「ヒツウチ」ではなく、下4桁が0110になっている事を学びました。
これを知っていれば、最初の本城からの電話を疑うことが出来たのに…。
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◆5本目(最後)の電話 ニセ警察官:本城
解決したと思って昼飯を食べ始めた頃、また「ヒツウチ」でかかってきました。
さっきの本城との会話の15分後です。
どうやら本城のようです。
しかしすでに、わしは面倒くさくなってました。
相手をするのも面倒です。
わし 「はい、鈴木です」
本城 「本城です」
わし 「あ、もうバレてるからかけてこなくていいですよ」
本城 「……」
ツーツーツー。
電話は切れてしまいました(* ̄m ̄)プッ
ここにおいて、ようやく本気で、「ああ詐欺だったんだな」と安心できました。
何しろ父と直接連絡が取れたわけではないのでまだちょっと不安だったのです。
それから母と昼飯を食べましたが二人ともあまり食が進みませんでした。
精神的に疲れたせいです。
父もメールを読んでないのか、電話をしてきませんし…。
まあ、とにかく入金は免れたし、事故は起きてないわけで、良かったです。
これで解決ですヽ(´▽`)ノ
そうして、夕方になって、わしは安心してバドのサークルに行ったのでした。
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◆が、しかし…
だがしかし、話はこれで終わらなかったのです。
夜、バドのサークルから帰ったわしが知った隠された新事実とは!?
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コメント
終わりかと思いきや、エピローグに続くのかw
一応の完結ということで、この時点で思った事を二つほど。
一つめ。
オレオレ詐欺ってのは、家族を心配する心理を見事なまでに突いてくるんだね~。うちは家族愛が薄いので(というか、皆無?)騙される可能性は低いのかな。警察からの電話程度で慌ててるようじゃダメだね。うひひ。
二つめ。
世間一般にいうオレオレ詐欺ってのは、息子の身を案じるご老人方がひっかかるパターンしか知らなかったのですが・・w
これは、とりわけ電話の内容を鵜呑みにしてしまうお人好しな人がターゲットにされてるって事でして。そういう方は得てしてご老人方に多いという事でして。
若者がひっかかるパターンは稀有だと思いますw
人柄の良さがよくでているエピソードですね。うひひ。
まぁこんな皮肉を書けるのも、未遂で済んだからこそですが。
投稿: シーファ | 2004.08.28 14:37
>>シーフャ
エピローグの内容にも驚いておくれ(o^∇^o)ノ
最近の詐欺は手が込んでるよまったく。
わしだって家族愛は薄いつもりだったけど、今度の事件では本気で心配した自分がいたよ。
そんな自分に驚いた。
「自分だけは大丈夫」と思わずに、「こんな自分だから危ない」っていう風に考えを改めることにしました(´・ω・`)
投稿: 純水@管理人 | 2004.08.30 16:39
警察でも田舎の警察が都内にかけるときは
警察用の線で田舎の警察→都内の警察→かける先って飛ばすから
末尾が0110にならないこともあるよ。
なので末尾が0110じゃあない場合は警察署の名前と担当の人の名前聞いてかけなおす。
コレがベターかと。
投稿: 割と詳しい人 | 2004.09.04 20:01
はじめまして、その1の方にTBさせていただきました。
大変興味深く読ませていただきました。
・家族間で行動を把握し合っておくこと
・何かあった時の対応や「こういう詐欺があるから気を付けよう」ということを話し合っておくこと
・今回のお父様のようなケースでは「これこれこういったことが起きているから、対処としてこうするよ、心配しないように」と”お父様が純粋様に”対処前に予め伝えること(イレギュラーな事態だという情報を共有しておくこと)が大切ですね。
家の受話器をそのままにしておいてわざと聞こえるように、携帯電話で純水様が警察署に「そちらに○○さんという警察官はいますか?」と確認する芝居を打つ(それが芝居かどうか相手にはわからないでしょう)というのも手かな、と思いますが…
投稿: ひざがわり | 2004.09.09 01:09
>>割と詳しい人さん
コメントありがとうございます
必ず「0110」になるわけじゃないんですよね。
わしもそこまでは徹底されてないだろうと思ってました。
また詐欺師に「0110」という下4桁を利用される可能性もあるわけで、余裕があるのならばかけなおして確認したいですね。
>>ひざがわりさん
コメントありがとうございます。
家族間での行き先把握は事件前よりも詳細に行うようになりました。
どこにどこ経由で行くよ、とか。
これはやっておいた方が良さそうです。
ホンモノの警察からの電話かどうかを一芝居打つというのは、ああいう状況下では頭に浮かばなさそうです(^^;)
最寄りの警察にかけ直すのがよいかもですね。
投稿: 純水@管理人 | 2004.09.18 20:00
つい先ほど、うちにも警察(?)から電話がありましたが、
こちらのサイトを見つけてだいぶ安心しました。
まーオレの場合、名前を伝えてきた時点で
オレの名前を読めなかったらしいので明らかに警察ではないかと。
ありがとございやーす。
投稿: トシフ | 2004.09.21 13:51